アディダスいまさらシリーズ第4弾。マラソンを走るには厳しすぎる夏、オフシーズンでスピード強化はいかが?
アディゼロ タクミセン とは
アディゼロシリーズは「日本人を速くする」という目標の下、「ゼロからの挑戦」をコンセプトに開発が始められたシリーズ。『タクミセン』はロードレースでの着用を意識した中底レーシングシューズ。ルールギリギリの厚底と比べた中底のメリットは?『アディオスプロ4』と何が違うのか?解説していく。

外観
側面
アッパーは『LIGHTLOCK』と呼ばれるシルクのような素材。ツルツルでサラッとしており、触り心地に履き心地も最高。このアッパーが採用されているのは同社のPRO4・タクミセン11・ジャパン9の3足のみ。メンツからもわかる通りスピード練習での活用を意識している。


カラーはEKIDENパックを購入。晴れ富士にインスパイアされたカラーリングとのこと。濃い青の発色が綺麗で個人的に好き。アディダスを象徴する3本線には反射材効果があり、デザインに落とし込みつつ機能性があるのは素晴らしい。アディダスはカラーリングが多く展開されるためシューズ選びも楽しいですね。

背面
アディゼロシリーズでお馴染みの折りたたみ式プルストラップを採用。捲ると『戦』と書いてある。これがクールジャパンってやつですか。遊び心あるのは嫌いじゃない。

靴底
アウトソール材は『コンチネンタルラバー』(赤色箇所)と『LIGHT TRAXION』を採用。前作より大幅に『コンチネンタルラバー』の領域を狭め、軽量化に力を入れてきている。

重量
28cm/202g
前作から微減。履き心地が改善されたにも関わらず、重量が増えないのは素晴らしい。

| シューズ名 (28cm) | タクミセン11 | タクミセン10 | アディオスプロ4 | ヴェイパーフライ4 |
| 重量 (実測値) | 202g | 207g | 211g | 186g |
価格
定価:24,200円(税込)
前作より2,200円値上げ。輸送費高騰など値上げ要因はいくらでも考えられるが、走行性能に大きな進化がなかったため、出来れば据え置きで頑張って欲しかったところ。この金額帯になるとロードレース出場予定の方しか手に取らなくなる。ただ、セール対象になっていることが多く、なかなか安くならない『EVO SL』よりも安い時がある謎の立ち位置なので欲しい方はセールを狙って欲しい。

| シューズ名 | タクミセン11 | タクミセン10 | アディオスプロ4 | ヴェイパーフライ4 |
| 定価 (税込) | 24,200円 | 22,000円 | 28,600円 | 29,700円 |
サイズ感
サイズ感:普段のアディダス購入サイズでOK
アディダスシューズは他製品も28cmを購入しており、タクミセン11も28cmにて問題がなかった。
♦参考:他シューズサイズ
EVO SL→28cm
アディオスプロ4→28cm
ペガサス41&42→28cm
ヴェイパー3&4→28cm
その他シューズとの比較は下記記事を参考に。

ファーストインプレッション
設置感はガツンと感じるほどキツくなく、程よく足を守りながら地面を蹴れる絶妙なバランス。出力に比例して反発力が上がるため、力量に合わせたスピード強化に抜群にハマるな!ただ、前作とスピードの乗り具合は変わらない気がする…。すでに完成されていたのか?っというのが初感。
厚底のように走らされる感覚は一切なく、ペースメイクが自由自在。コンディションのベンチマークが測れるほどに素直なシューズ。アッパーの変更やミッドソールが少し柔らかくなり、履き心地がアップ。でも反発力に違いは感じられず、むしろ少し軽く硬めだった前作の方がロードレース向きだったかも…?足持ちが良くなり、ハーフマラソンなど少し長いレースまで対応できるシューズに進化した。

どのシューズと似てる?
前作のタクミセン10と瓜二つ。ただ、これだと参考にならないので、、、他に近いシューズを考えた時に思いつくのは、EVO SLにプレートを搭載して少し硬くした感じが近い。ただ、重量はタクミセンの方が圧倒的に軽いため、硬くなり足持ちが悪くなった分、ピッチと反発力が上がった。そんなイメージ。

クッション性能について

MIDIUMレベル:中底であるが少し沈み込みを感じる柔らかさ
ドロップ差:6mm(前足部27mm/踵部33mm) 転がる感覚は一切ない。
ミッドソールは『Lightstrike Pro』を採用し、骨状のグラスファイバー製『ENERGYRODS 2.0』を間に挟み込む構造。前作よりも少し柔らかくなったが、『アディオスプロ4』とは比べものにならないほど硬く、長くてもハーフマラソンまでが妥当だと感じる。それ以上の距離は訓練が必要というよりも、厚底シューズが合わない人が好んで履いているのだと気づいた。


【徹底解剖】シューズの特徴
高速ロードレースはお手の物
ロードレースはトラック競技と違い、起伏やカーブなど土地により様々。厚底だと激坂で上手く地面から反発をもらえなかったり、急カーブをクイックに曲がることができずストレスを感じる時があるが、中底であれば器用に捌くことができる。巡航よりもスピードの加減速が発生するレースでは中底の万能性が有利に働く。

ピッチが大暴れ
軽量性と出力に比例する反発力により、普段では出さないスピード域に突入しやすい。結果、身体が足の回転数(ピッチ)に追いつかず、空回りするような感覚に陥ることも…。シューズの凄まじさを体感できるが、実力以上のペースでバテないように制御する自制心が大事。

スピードを殺さないグリップ力
前作に比べ『コンチネンタルラバー』の採用量は大幅に減ったが、違いは感じられず相変わらずの強力グリップ。加えて設置面積も広いため、坂やスピードに乗った状態でも滑ったり、ブレることなくガツガツ進める。つまり路面状況を心配することなくレースに集中することが出来る。

履き心地が改善
アッパーが『LIGHTLOCK』に変更され、足当たりが良く履き心地抜群。また踵の抜け感も改善され、シュータン一体構造でガッチリ足を固定。着用時は履き口が狭く感じるが、履けば快適で文句なし。

気になる点
巡航は厚底が有利
マラソンなど一定ペースで巡航するレースでは、ロッカー構造や足を守ってくれる分厚いクッションが有利となるため、やはり厚底シューズに軍配があがる。ロードレースやポイント練習において、普段より早いペースで走る場面で使用するのが一番しっくりくる。個人的な使い分けとして、10キロ以下で起伏による加減速が発生する場面では第一候補にあがる。

走行性能は前作から変わっていない
今作はアッパーなど履き心地における改善はあったが、シューズの走行性能を決めるミッドソールやプレートに変更がなかった。そのため前作の『タクミセン10』から乗り換えることで特別早く&楽に走れることはない。

タクミセン11 がオススメな人
個人的に購入して満足しています。シューズ自体の完成度は素晴らしいが、前作と変わらない走行性能だった点が少し残念。すでに完成されているのかもしれないが、次回は何かしらの変化が欲しいところ。とはいえ、スピード強化に力を入れる夏のポイント練習用シューズはこれ一択。坂ダッシュを行う人や普段より早いペースでインターバル層に取り組む人には強くオススメできる。
適正ペース
特になし。出力に合わせて自由自在にペース変動できるため。だが、ジョグシューズで楽に出せるペース帯では美味しさを感じられないため、閾値ペース以上の普段は出さないスピード練で使うのがオススメ。
オススメする人
・ロードレースを頑張りたい人
・スピード練や坂ダッシュで使用するシューズを探している人
・普段より軽やかにピッチを上げたい人
・蹴って走りたい人
オススメしない人
・マラソンなど長距離が主戦場の人
・ロッカー構造が好みな人
・設置感のあるシューズが嫌いな人
まとめ
総括:ロードレースの決定版
適度なクッション性で足を守りつつ、スピードの加減速に柔軟な対応が出来るこのシューズよりロードレースに適したシューズはあるのか…。オラ、もっと強え奴と出会いてぇゾ! 実際、平坦であればプーマの『FAST-R ニトロエリート3』が一番早く走れると思う。あのシューズは助力がおかしい。でもやっぱり厚底なので起伏における対応力が弱い。っと考えるとロードレースにおける総合力は『タクミセン』に軍配が上がる。ジョグで基礎を固め、スピード練でキレとフォームを磨く、さらなる高みを目指すオトモとしてオススメできる一足。

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