【レビュー】ミズノ ネオビスタ 多彩なジョグシュー

-シューズ-

2024年6月14日発売のNEO VISTA(ネオビスタ)。
ジョグからスピード練習まで対応できる幅広さを売り文句として発表したシューズ。ジョグに求めるクッション性能と、スピード練習に求める反発力をどのように両立しているのか?本当に対応できるのか?ということが気になり発売日に購入。(安心と信頼の実費購入)

NEO VISTA(ネオビスタ)について

ネオビスタはミズノから発売された新作シリーズ。
『ジョグやスピード練習にも適したニューモデル』『ジョグこそが、スピードを生み出す』というコンセプトを元に、「レースシューズの技術をトレーニングシューズにも活かしたい」というミズノの想いがあり今作の開発に至った様子。
そのため今回は
ジョグからスピード練習まで対応できるシューズなのか?
レースシューズの技術をしっかりとトレーニングモデルに落とし込むことができているのか?
という二点を軸にチェックしていく。

MIZUNO NEO VISTA(ミズノネオビスタ)|ランニング

シューズ外観

側面

カラーは『ネイビー×ブルー×ブルー』を選択。ミズノのブランドカラーであり、ジョグで使用するシューズは街中に溶け込める落ち着いた色合いが個人的に好み。

側面からは肉厚なクッションが目を奪う。

内側後方にはゼッケンホックのようなボタン付き。光を当てると反射するため反射材としての効果もある様子。クッション材は新開発のMIZUNO ENERZY NXT』を使用。加えて「技術力を盛り込みました!」と誇らしげな文字やロゴの羅列。

背面

夜間のトレーニングでも視認性が上がる反射材付き。

靴底

グラスファイバーで強化されたナイロン製の『WAVE PLATE』がお出迎え。(おそらく同社のウエーブリベリオンフラッシュ2と同じプレート)

アウトソールは耐久性に優れた『X10』を使用。
雨上がりの玉砂利やタイル上では滑りやすいため注意。アスファルトではグリップ力が希薄であるが滑る様子はなし。

重量

27.5cm/267g
ジョグシューズとしては重くも軽くもないと言った印象。

価格とサイズ感

定価:22,000円(税込)
価格帯としては、ジョグシューズとしては高く、レースシューズとしては少し安め。
アシックスだと『SUPERBLAST』が同額であるため、ジョグシューズのプレミア版と考えるのが良さそう。

サイズ感は普段購入サイズで問題なし
私は普段から27.5cmを購入しており、今回も27.5cmにて問題なし。
ただし、靴下のようにフィットさせるために幅狭なシューズ。足の形にもよるが、私の場合、親指は1.5cm余りなのに対し、小指は0.5cm余りになっており幅狭シューズであると感じた。

参考:他購入済みシューズサイズ
マジックスピード3→27.5cm
ゲルニンバス26→27.5cm
ウエーブライダー26→27.5cm
ウエーブリベリオンフラッシュ2→28.0cm

【徹底解剖】シューズの特徴

ネオビスタの特徴は『新開発のクッション材』『レースシューズ譲りの技術力』『極上のフィット感』の3点。

新開発のクッション材『MIZUNO ENERZY NXT』

非常に柔らかい。同社の『MIZUNO ENERZY FOAM』と同じ力で握り比べたが、少しだけ『MIZUNO ENERZY NXT』の方が柔らかかった。これだけ柔らかいと安定感が気になるが、クッション材の間に仕込まれている『MIZUNO WAVE』のおかげで安定感も問題なし。

MIZUNO ENERZY NXT(ネオビスタ)
MIZUNO ENERZY FOAM(ウエーブリベリオンフラッシュ2)

レースシューズ譲りの技術力

今作はレースシューズ譲りの技術である『スムーススピードアシスト』(以後『SSA』と記載)が搭載されている。『SSA』は踵が着地しないことから、着地時の足離れがよく腰高フォームを維持させてくれる優れもの。
またウエーブライダーなどのジョグシューズでもお馴染みの『MIZUNO WAVE』も備え、スピード練習にも対応できるシューズに仕上げて来ている。

直立姿勢で踵が浮いている


♦️付録
『SSA』とは、ランニングを行う上でフォアフット着地が最強という根拠の下、スムーズに着地を行い自然と歩を進めることが出来るよう開発された、ミズノ独自ソール構造のこと。
そのためヒールフット着地が軸についているユーザーとは非常に相性が悪いが、ミッドフットやフォアフットに改善したいと考えているユーザーには矯正シューズとして一役買ってくれる存在。

SMOOTH SPEED ASSIST 詳細ページ


『MIZUNO WAVE』とは、ミッドソール(クッション材)の間に『WAVE PLATE』と呼ばれる波形状のプレートを挟んだソール形状のこと。柔らかいミッドソールの間にプレートを挟むことで、クッション性と安定性の両立を実現している。
同社のフラグシップモデルである『ウエーブリベリオン プロ2』はプレートをカーボンにすることでより強力な反発力を生み出せる構造になっている。


今までミズノのレースシューズでしか搭載されてこなかった機能が、トレーニングモデルに降りて来たことでより身近にトップモデルの性能を味わうことが出来るようになった。

極上のフィット感

ランニングシューズではあまり見かけない『ブーティ構造』を採用。シュータンとアッパーが一体になることで靴下のような極上のフィット感に。素材として伸びるのは足首周りとシュータンのみ。フィット感に違和感を与えそうな先入観があったが、トラブルもなく完成度の高い仕上がりになっている。
同社では『ウエーブネオ ウインド』や『ウエーブネオ ウルトラ』といった高価格帯シューズで採用されている。

シュータンと一体になっている
シュータン周りがよく伸びることでフィット感向上

クッション性能について

MAXレベルの柔らかさ。
プレートが入っていることを感じさせない柔らかいクッション性能。
膝やふくらはぎに痛みを抱えている初心者ランナーにもオススメできる一品

ファーストインプレッション

柔らかい!確かにスピードを出せるコシもある。という感想。
ミズノの謳い文句通り、ジョグからスピード練習まで対応できるシューズであることは間違いなさそう。だが、スピード練習用やレース用のシューズを持っている人には物足りない反発力。1足で全ての練習を完結させたい人や、遠征時に何足も持っていけない場合には、オールマイティに活躍してくれるシューズ。
私の使用予定として、クッションが柔らかいことからロング走でガシガシ使用していきたい。遅いペースから早めまで対応できるシューズのため、ロング走中にコンディションが良くペースを上げた場合も、柔軟に対応してくれるふところの広いシューズである。

ネオビスタがオススメな人

オススメする人

・ミズノの独自構造『SSA』を体感してみたい人
・ロング走向けに、足に優しくスピードの出せるシューズを探している人
・ジョグからスピード練習まで1足でこなしたい人
・レース用シューズとして『ウエーブリベリオン プロ2』を着用する人

オススメしない人

・ヒールフット着地が軸にある人(=踵から着地する人)
・レースシューズ用としての購入を検討している人(レース用だと同社のリベリオンフラッシュ2がオススメ)

まとめ

結論:幅広いペースに対応できるロング走向けシューズ
本商品を楽しみに予約していたが、「(スピード用orジョグ用の)どっち付かずの器用貧乏シューズになったら最悪だな〜」とビビる気持ちもあった。結果として、しっかりと幅広い練習に対応でき安心した。また想像以上にクッション力があるにも関わらずスピードも出せる構造になっていることから購入して非常に満足している

ただし、個人的に『ウエーブリベリオンフラッシュ2』と結構似ていると感じたため、今後の購入ケースとしては、
サブ3.5〜4:ジョグ用『ネオビスタ』+ レース用『ウエーブリベリオンフラッシュ2』
エリート選手:ジョグ用『ネオビスタ』+ レース用『ウエーブリベリオンプロ2』
という流れになり、エリート選手が『ウエーブリベリオンフラッシュ2』を練習用として購入するケースは無くなってくると感じた。

おまけ:他シューズと比べて

ウエーブリベリオンフラッシュ2と比べて

本作は『ウエーブリベリオンフラッシュ2』とシューズの構造が似ていることから、どう違うの?と思う人が多いだろう。違いとしては
『SSA』の傾斜が『ネオビスタ』の方が緩い
クッション材は『ネオビスタ』の方が若干柔らかく、反発力は大きく劣る
の2点が大きな違いであると感じる。

購入ケースとしては
・スピードシューズを探している場合は『ウエーブリベリオンフラッシュ2』
・ジョグでも『SSA』の足離れの良さを感じたい人は『ネオビスタ』
という形での棲み分けになると感じた。
『ウエーブリベリオンフラッシュ2』は『SSA』の傾斜が強く、厳しく腰高フォーム維持を強要してくるが、『ネオビスタ』は傾斜が緩く、優しく教育してくれるため楽に走れる

ゲルニンバス26と比べて

柔らかいシューズと言えばアシックスの『ゲルニンバス』と思うため、他社で申し訳ないが比較。
・柔らかさは甲乙付け難い同等レベル
・プレート有無の差が大きい
  →プレートがない『ゲルニンバス』は沈み込みがあり、地面を押し返す力がない
   プレートがある『ネオビスタ』はわずかかに沈み込み、地面を押し返す力がある
・『ゲルニンバス』独特の母指球でお餅を踏んでいる感覚が『ネオビスタ』にはないが、踵が浮いているという不思議な感覚がある(笑)

今後の私の使い分けとしては、
・リカバリージョグやLSDなどのペースを決めない緩いジョグは『ゲルニンバス26』
・ペースを決めるジョグやロング走は『ネオビスタ』
という形で使い分けていく予定。
思っていた以上に『ネオビスタ』のクッションが柔らかいため、購入の際は履き比べを行い好みに応じて購入することをオススメする。

購入先リンク

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