30キロ走は良く耳にするけど、42キロ走ってあまり聞き馴染みのない練習。なぜ練習で42キロも走る必要があるのか?記録向上を狙うシリアスランナーに向けて理由とコツを紹介。
42キロを練習で走る最大の理由
結論:フルマラソンを長い距離だと感じないため。
大会以外で42キロ以上を走ってますか?走っていない場合、大会での42キロが凄く長い戦いだと感じているでしょう。それが日頃の練習から42キロを走るようになると、大会当日が楽に感じられるようになります。そんな素敵で過酷な練習を皆さんへ伝授します。

42キロ走をするメリット
距離に対する不安が消える
フルマラソンを走る人が、ハーフマラソンを走った際「この大会距離短っ!?」ってなったことはないだろうか。フルマラソンの半分なので当たり前であるが、本当に短く感じる。短く感じられるということは、距離に対する不安がない状況。すなわち「走り切れるのか!?」という無駄な心配をする必要がなく、心拍と足の状況把握に全力を注げる。結果として、思うようにペースコントロールができ、好記録へ繋げることが出来るようになる。

大会当日のプレッシャーが減る
マラソン大会当日って緊張の連続ですよね。忘れ物の心配。日頃訪れない会場への順路。トイレ問題。整列場所を探す旅。挙げ出すとキリがないくらい不安や緊張の連続。そんな状況でようやくスタート出来たと思ったら、狙い通りの記録が出せるのか?っと数時間プレッシャーに追い込まれる。そして30キロを超えた後に訪れる肉体疲労による足の売り切れや攣りなど。それを自信に変える方法が42キロ走。日頃から42キロを走ることで足の筋持久力アップが狙え、フルマラソン後半に耐えることのできる足を作れる。加えて、身体の異常(腹痛や攣り)の予行練習も出来るため、本番で症状が出た場合も落ち着いて対処が出来るようになる。長距離という種目上、メンタルは非常に重要。小さな自信を積み上げることが記録向上への近道。

つまり…?
距離に対する抵抗感を減らすことで、大会本番で本来の力を発揮できるようになるということ。

30キロ走じゃダメなの?
結論:30キロで自信がつくなら大丈夫。
30キロ走が人気な理由は、長時間身体を動かし続ける能力を養うため。先にオススメした42キロ走と同じく、日頃走り慣れない距離に適合するための練習。そのため30キロで自信がつくなら問題ないと考えるが、これは42キロを走り切ることに重点を練習ではないか?と個人的には感じている。マラソンは30キロの壁という言葉がある通り、30キロ以降にキツい局面を迎える。それに慣れる練習をしておくことが記録向上に繋がるポイントであると考えるため、記録を狙うシリアスランナーは42キロ走をオススメしたい。参考にサブ3目標で30キロ走を実施した場合のゴールタイムを記載しておく。見ての通り、目標よりも遅いペースにも関わらず、走る時間も短くなっている。
距離 | ペース | ゴールタイム |
---|---|---|
42キロ | 4分15秒 | 2時間59分 |
30キロ | 5分15秒(1分下げ) | 2時間37分 |
ロング走のペースについて
これまでの説明で、走る距離は違えどロング走を行うことが重要であることは理解してもらえたと思う。では実施する場合、どのようなペースで走ればいいのか?という疑問にブチ当たる。結論としては、本番と同じペースで走る必要はない。身体にかかる負担が大きすぎることに加え、練習を失敗する可能性が高まるため。自信をつけるために行う練習で失敗し、自信を失っていては本末転倒。そのため本番より遅いペースで距離を踏むことを推奨する。個人的にオススメなペースは、本番の20秒〜30秒落としのペース。これ以上落とした場合、記録向上に向けた練習からはかけ離れ、身体を動かし続ける練習になると感じる。ただ、初めは30秒ペース落としでも距離に対する抵抗感からキツいと感じるため、さらに落として実施するのも大いにあり。慣れてきたら徐々に上げていこう。
目標 | ペース | ゴールタイム |
---|---|---|
サブ3 | 4分15秒 | 2時間59分 |
サブ3(練習) | 4分45秒 | 3時間20分 |
どれくらいの頻度で行うの?
人によって身体の強度が違うため一概には難しいが、私個人の経験として、サブ3.5を狙っている人は月に最低1回。サブ3を狙っている人は1〜2週に1回実施が望ましいと考える。現在サブ3に向けて練習を行なっている私は、毎週実施を心がけている。ただ、モチベーション維持や身体がキツいと感じたら休む時もあるし、ペースを気にせず42キロ気楽に走る時もある。長距離で記録を伸ばす秘訣は、点と点の練習ではなく、線の練習でなければいけない。そのため線が途切れるような故障を減らすためにも、身体と対話しながらボリュームコントロールすることが大事だと、2年間走ってようやく気づいた。

ロング走を成功させるコツは?
言い訳しない
ロング走って最終的にはメンタルとの戦いになる。感覚的には、心拍<足<メンタルの順で重要になる。長い距離走るのですから、走っている最中にツラい局面が何度か来ます。その時に諦めてしまう言い訳を事前に潰しておくことが大事。例えば、補給食や水が足りなくてこれ以上は走れない。靴がペースに対して合っていなかった。などなど。事前にしっかり準備すれば対策できるトラブルに遭遇することが多々あります。大会本番だと「高いお金払って出場しているんだから走り切るぞ!」ってなりますが、練習は簡単に諦められる環境。だからこそ本番に近い準備と気持ちを用意する必要がある。備えあれば憂いなしです。

リズムを大切に
本番と違い、補給や給水をサポートしてくれる人はいません。そのため立ち止まる必要が発生するのも仕方ないが、あまり長く立ち止まらない(休憩しない)ことをオススメする。具体的には、心拍が落ち着くくらいに立ち止まってしまうと、次走り出した時が非常に辛く諦める要因になってしまう。なので、立ち止まる前には「すぐに走り出すぞ」っという心づもりをしてから、止まるようにしましょう。

時間には余裕を持って
時間に余裕がないと気持ちが焦りペースが自ずと上がってしまう。ロング走においてペースの上下は失敗の原因になる。一定ペースで焦らず走られる時間を確保するのが大事。

まとめ
総括:マラソンってしんどい
ランニングは身体やメンタルにいい影響を及ぼす。なんてセリフが飛び交っているが、記録を狙い出した途端、身体とメンタルに悪影響しか及ぼしてない。これだけ毎日心臓を激しく動かしていると、寿命短くなってないか?と感じるし、練習に失敗した日は自信喪失からの情緒不安定に陥る。何事もほどほどが肝心なんだな〜。ってマラソンを通じて痛感した。
でも走る。だって目標達成した時の景色を見てみたいからね。