情報公開後からずっと気になっていた『ズームフライ6』。公式とスポーツデポでは一足お先に入手することができるため先行購入。
ズームフライ6 について
『ズームフライ』は初めてのレースシューズにオススメというポジションのシューズ。他社で例えると『マジックスピード』に相当する。前作の『ズームフライ5』はサステナブルというキーワードからミッドソールに使用されている『ZoomX』はリサイクル素材であり、『SR02』という殻に覆われた状態であったが、今作はドカンと上層部に『ZoomX』を搭載。サステナブルは消え去り性能面に振ってきた印象。
ズームフライ6 | ズームフライ5 | |
発売日 | 2024年11月 | 2022年7月 |
ミッドソール材 | 上層部:ZoomX 下層部:キャリアフォーム | 中側:ZoomX (リサイクル品) 外側:SR02 |
シューズ外観
側面
カラーは『ホワイト』を選択。ちなみに先行販売段階では『パープル』が一番人気の様子。
前作に比べミッドソールがかなり分厚くなり、面影はロゴの配置場所くらい。そしてフォルムは『アルファフライ3』。ミッドソールの削り具合は『ヴェイパーフライ3』に似ており、もはやキメラ。レースシューズのいいとこ取りをしてきたような見た目。(個人的に好き)
背面
踵は『アルファフライ3』譲りの迫り出した形。そして目標タイムを書くことのできる欄がある。(こういうの書いたことないですが、シューズ履く時にモチベ上がるものですかね…?)
靴底
『ヴェイパーフライ3』と同じ形状の『FLYPLATE』がお出迎え。靴底の削り具合は『ライバルフライ4』を彷彿とさせる。
重量
28cm/262g
ズームフライ史上最軽量との謳い文句であったが、レースシューズの部類で考えると重量を感じる。テンポアップシューズとしては並くらい。
価格とサイズ感
定価:18,700円
凄い。先日発売したプレートなしの『ペガサスプラス』が19,800円であったことからも、かなり頑張った価格帯であると思う。それもそのはず、同じポジション帯で売れ筋の『マジックスピード4』が18,700円であることから、競合対抗価格で発売。シェアを奪いに来た。
サイズ感はいつものナイキ購入サイズでOK。
♦️参考:他シューズサイズ
ゲルニンバス26→27.5cm
ペガサスプラス→28cm
ズームフライ5→28cm
ヴェイパーフライ3→28cm
【徹底解剖】シューズの特徴
ズームフライ6の特徴は『ミッドソール』と『フィット感』
ミッドソール
上層部に『ZoomX』をドカンと採用し、分厚くなったことでクッション感が凄いことに。もう地面を感じることがなくなった。そして下層部に『キャリアフォーム』という少し弾力のある素材と『FLYPLATE』を搭載することで、分厚いミッドソールにも関わらず着時時の横ブレは一切感じられない。初めてのレースシューズポジションに恥じない、しっかりとした着地感でサブ4ランナーも受け止めてくれる器がある。また信号待ちで止まった際、踵部の柔らかさに気が付くレベルで踵が柔らかい。ヒールフットランナーにもかなりオススメできる。(クッション感はミズノの『ネオビスタ』と似ている)
フィット感
フィット感がバッチリ。フラグシップレースモデルになると軽量化のために簡素化されていくが、しっかりとホールドしてくれるボリュームがある。長時間のマラソンも安心できる。
クッション性能について
MAXレベル。さよなら地面さん。
他シューズとの比較は↓を参考に。
ファーストインプレッション
めっちゃ分厚いやん!地面どこいった?ってか柔らかっ!前作とは比べ物にならないな〜。っていうのが初感。
前作は地面を蹴っていく感覚がしっかりあったが、今作は全くない。昨今の厚底シューズが好みの方には追い風となるアップデートであるが、従来の地面を蹴る感覚が好みの方には合いそうにない。そしてフォルム同様に『アルファフライ3』から推進力と柔らかさをマイルドにしたシューズに仕上がっており、『アルファフライ3』をレースシューズにしている選手のジョグ用や、将来的に『アルファフライ3』を履いて走りたいと思っているランナーにドンピシャなシューズであると感じた。ただし気になる点もあり後述していく。
気になる点
FLYPLATE
『ヴェイパーフライ3』と同形状で硬度を少し下げ、エントリー向けにした。という事前情報を聞いていたが、シューズに力を加えた限りでは硬度の違いを感じることはできなかった。また走っている際は、ミッドソールが分厚すぎるのか?『FLYPLATE』の材質が大きく違うのか?プレートによる推進力を感じることがなかった。コロンと前に転がる感覚もなし。もちろんジョグシューズ(ペガサス41など)より早く走れるが、プレートによる推進力というよりも『ZoomX』による反発力でスピードを上げやすい。という言い方が正しいと感じた。プレートは助力目的というより分厚いミッドソールに安定感を出すための物。と考えるのが良いかもしれない。(ウエーブリベリオンフラッシュ2もプレートを搭載しているが同じ感覚であった)
重量
『アルファフライ3』や『ヴェイパーフライ3』を使用していることから、『ズームフライ6』がかなり重く感じる。その上で推進力が弱いため、前に進むためにはより一層脚を使う必要がある。(当たり前)そのためフラグシップレースシューズを購入済みの方は、ジョグ用として使用することを前提に購入することをオススメする。
ミッドソールの繋ぎ目が粗い
写真で見るとそうでもないが、実物を見ると結構粗い。硬度の違うミッドソールを合わせると粗くなるのかな?でも他社でもこんな粗いの見たことない…。走っている時は気にならないため、ここを綺麗にするために価格が上がるのであれば、このままで良いが気になるポイント。
反射材がダサい
なんでつま先に反射剤ペタッって貼ったのん?違和感マシマシでダサくないか?デザインもフォルムも好みであるが、この反射材だけがどうしても気に入らない。安全面でそんなに効果があるのかな…。
ズームフライ6がオススメな人
個人的に『アルファフライ3』をレースシューズにしたいと思っているため、ジョグ用として満足感が高いシューズ。
適正ペースは?
気持ちよく走れるのは4分20秒前後までの印象。4分近いのペースになると重量が気になり、脚の回転がモタつく。より軽く、推進力のあるシューズを履くことをオススメする。
オススメする人
・初めてレースシューズを購入する人(サブ3.5まではオススメ出来る)
・『アルファフライ3』の練習用シューズを探している人
・ヒールフット着地の人(もちろんフォアフット、ミッドフットもOK)
オススメしない人
・サブ3を目指している方のレースシューズ
・厚底シューズが苦手な方
・スピード練習用のシューズを探している人
まとめ
総括:ハイコストパフォーマンスシューズ。
これが18,700円は凄い。市場戦略シューズとして利益率低めなんじゃないかな。先日の『ペガサスプラス』がフルレングス『ZoomX』で発売されたにも関わらず、クッション性能がフラグシップシューズと掛け離れていたことで「ズームフライ6のZoomXはどうなるかな…」と心配していたが、良い意味で裏切られた。『ZoomX』というクッション性能を体感する意味で、このエントリーレースシューズを選択するのはとても良い経験になる。
購入先リンク
【おまけ】他シューズと比べて
アルファフライ3 VS ズームフライ6
クッションの柔らかさと推進力が圧倒的に違う。『アルファフライ3』の圧勝。(金額も倍以上違うため当然である)ただ、『アルファフライ3』はクッションの柔らかさから沈み込みが強い。沈み込む感覚が苦手なピッチ走法の方は『ズームフライ6』の方が合うかもしれない。
ヴェイパーフライ3 VS ズームフライ6
クッションの柔らかさ、重量、推進力が圧倒的に違う。こちらも『ヴェイパーフライ3』が圧勝。(同じく金額が倍近く違うため当然)だが、『ヴェイパーフライ3』はフィット感に問題があり踵が抜けやすい感覚がある。フィット感を重視する方は『ズームフライ6』を推すかもしれないが、重量の差が大きくピッチ走法の方は『ヴェイパーフライ3』がオススメである。
ペガサスプラス VS ズームフライ6
クッションの柔らかさで『ズームフライ6』の勝利。なぜフルレングスZoomXであり、プレートなしの『ペガサスプラス』の方が硬いのか…。ミッドソールの厚みは確かに『ズームフライ6』の方があるが、素材自体が違うように感じる。ミッドソール剤をアシックスのように細分化して欲しいところ。フィット感に関しては、シューズの履き口がほぼ同じであり変わらない印象。その上で、値段も『ズームフライ6』の方が安いのである。こりゃ世間(ペガサスプラスを買った人)は許してくれませんよー。