【レビュー】ナイキ ウルトラフライ オススメできない

-シューズ-

「トレランのヴェイパーフライ!」という公式の謳い文句にやられて購入レビュー。

ウルトラフライについて

ウルトラフライはナイキのトレラン用フラグシップシューズ。「トレイルでもヴェイパーフライのようなシューズが欲しい」という声から開発が始まり、ヴェイパーフライをトレラン用にチューニングした結果生まれたのがこのシューズ。本当にヴェイパーフライと似ているのか?特徴を押さえながら解説していく。

シューズ外観

側面

アッパーは軽量で水に強い『ヴェイパーウィーブ』を採用。ロゴはトレイルの厳しい環境でも剥がれないよう、撥水性のある素材で強力に貼り付け。ミッドソールはフルレングスで『ZoomX』を採用し、『FLYPLATE』(カーボンプレート)も搭載している。

背面

プルストラップとして役に立つのか…?と考えさせられるペラペラな装飾あり。このレベルなら軽量化のために無くて良いのでは…。

靴底

ナイキ初となる、ビブラムのメガグリップを採用。メガグリップとはビブラムの中でも屈指のパフォーマンスを発揮するアウトソール材。

重量

27.5cm/297g
ロードシューズに慣れている身としては重く感じる。ただ、トレランシューズはロードシューズより重くなる傾向にあり300gくらいであれば並の重量である。とはいえ、ナイキのフラグシップトレランシューズであるため、もう少し軽量化に力を入れて欲しかったのが本音。

価格とサイズ感

定価:36,080円
流石ヴェイパーフライを模しているだけはある。価格までヴェイパーフライ3と同額とは…。(ここまで真似しなくて良いのですが…)

サイズ感:ハーフサイズダウンがオススメ
価格よりサイズ感真似しろよ…。ナイキはサイズ感が安定しているイメージであったが、公式レビューでも作りが大きいと話題に。
♦︎参考:他シューズサイズ
ゲルニンバス26→27.5cm
ノヴァブラスト4→27.5cm
ズームフライ5&6→28cm
ヴェイパーフライ3→28cm

ファーストインプレッション

ん?ヴェイパーはどこ?クッションの沈み込みは少し感じるが、全然違くね?というのが初感。
これはやられた。トレラン用にチューニングされた結果、ヴェイパーフライっぽい全く違うシューズになっている。確かによくよく考えてみると、ヴェイパーの柔らかさで岩場を乗り越えやすい訳がない。そうなるとミッドソールの硬度を高める必要がある。そして『FLYPLATE』も搭載されているが、トレランにおけるカーボンプレートは岩場の突き上げ軽減がメインであり、路面が柔らかい土の上で推進力は生み出されない。考えれば考えるほどヴェイパーフライの特徴と合致しないのがトレランシューズの世界。であれば、せめて軽量化に力を入れて欲しかったな…。

【徹底解剖】シューズの特徴

ウルトラフライの特徴は『アッパー』と『ミッドソール』の2点。

アッパー

『ヴェイパーフライ ネクスト%』で採用されていたヴェイパーウィーブ』を採用。軽量で通気性に優れ、水の吸収を抑えることが出来る素材。加えて足当たりを良くするための生地がもう1枚用意されており、ロング走においても抜群のフィット感で臨むことが出来る。

ミッドソール

『ZoomX』をフルレングスで採用。だが、トレラン用にチューニングした結果、ヴェイパーフライよりもペガサスプラスに近いクッション感に仕上がっている。もう少し柔らかくても良かったのでは…?と思うが、フラグシップモデルとしてスピードを出すにはこれくらいの硬度が必要になるのだと解釈した。

クッション性能について

MEDIUMレベル。地面を感じるほどの硬さはないが、柔らかいと感じるほどでもない中間レベル。
他シューズとの比較は↓を参考に。

気になる点

重量

おまえ!フラグシップシューズなんだからもっと頑張れよ!と言いたくなる重量。アウトソール材などこだわる点が多いため多少重くなるのは仕方ないが、この靴紐は一体どういうことなんだってばよ…。なぜスニーカーみたいな靴紐を採用したのん?ヴェイパーフライと同じ靴紐採用したら良くないん?この靴紐にメリットを見出せない。太いことでホールド力アップになるのかもしれないが、この解けやすい紐はNGだろう…。

アウトソール材

ビブラムのメガグリップ採用ということで期待していたが『Asics Grip』に慣れてしまった私には安心して走ることが出来ないグリップ力特にラグが低い。おそらく凹凸や岩場の少ない環境での利用を想定されている。結果として、日本の山は岩場や木の根っこが隆起していることが多く、踏んだ際にズルッと滑る。くだりのスピードを出している際に滑ると大惨事になるため、スピードレースではなくウルトラトレイルなどのロングで使用することをオススメする。(一度滑ると走りに集中出来ないため致命的)

汚れが落ちない

ミッドソール材の『ZoomX』は脆い素材のため、岩場で削られないよう生地で覆われている。この生地に染みついた汚れが洗っても落ちない…。生地ということで洗濯用洗剤や靴の洗浄剤でお馴染みジェイソンマークも使用したが落ちない。であれば、白い生地ではなく汚れが目立たない素材にして欲しかった。

ミッドソールが生地で覆われている
泡まみれになるくらい擦るが…
汚れが落ちない

ウルトラフライがオススメな人

正直あまりオススメしない。ナイキが好き!デザインが好み!という方以外は、この価格帯でこのシューズは割に合わないと感じた。

オススメな人

・ナイキのフラグシップトレランシューズを試したい人
・ウルトラトレイルで使用するシューズを探している人
・デザインが好みの人

オススメしない人

・スピードレースで使用したい人
・グリップ力を重要視する人

まとめ

総括:ヴェイパーフライという名前を使わなければ良かったのに…。
ヴェイパーフライが良いシューズすぎて期待値を無駄に上げすぎなのでは?と思った。『ZoomX』や『FLYPLATE』を採用するも良さを活かせていないため、完全に別路線として製品発表すればこのような評価にならなかったと思う。虎の威を借る狐とはこのこと。とはいえ、まだウルトラフライシリーズにおける初代であるため、今後のアップデートに期待したい。

購入先リンク

ナイキ公式サイトでのみ販売されている様子

おまけ

トレランシューズってやはり売れ行きがあまり良くないのか、ウルトラフライはよくセール対象になってます。先日も秋セール対象であったため、気になる方はセール待ちするのもありかもしれません。

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