春の情報公開時より気になっていたシューズ。忖度なくレビューします。
ペガサスプレミアム とは
41代続いているペガサスシリーズのプレミアム版(豪華版)として初登場。情報自体はペガサス41発売時の2024年6月から話題になっており、来春頃発売予定と伺っていた。なのに急遽?1月中旬に「1月30日発売する」とアナウンスがあり発売となった。マラソンシーズン内で発売を開始したかったのか。ペガサス42の発売時期と被せたくなかったのか。詳細は不明であるが、情報解禁時より気になっていたシューズのため購入。

シューズ外観
側面
事前情報でのカラーリングはホワイトと思っていたが、実物はスカイグレー。ミッドソールのオレンジが際立っている反面、反射材は目立たずもデザインのアクセントとして取り入れられているのが素晴らしい。



背面
プルストラップはないが、ペガサスの羽マークが描かれた装飾あり。


靴底
アウトソールの名称は公開されていないが、他ペガサスシリーズよりもしっかりと凹凸が付けられており、耐久性が高そうな印象。

重量
27.5cm/328g
重すぎィ。重さまでプレミアム化しないで。

価格とサイズ感
定価:29,700円
高すぎィ。さすがはプレミアム版。とても華やかなハッピープライス。インフレで悲鳴を上げている日本には話題性で効果抜群だ。ジョグシューズとは思えない価格帯の商品に、購入者はペガサスが大好きなファン(信者)か価格を気にしない富裕層だろう。
サイズ感:普段のナイキ購入サイズでOK。もしくはハーフサイズダウンでもOK。
普段ナイキのシューズは28cmを購入しているが、今作はアッパー素材が薄いためハーフサイズダウンでも問題なく着用できた。またシューズ自体に重量があり、フィット感を上げた方が重さは気にならないため、ゆとりの少ないハーフサイズダウンで購入。
他シューズサイズとの比較は下記を参考に。
ファーストインプレッション
重っ!でも反発は思っていた以上にあるかも?ペガサスプラス以上、ズームフライ6同等くらいにはある。AirZoomユニットは薄いけど足裏全体でグニュグニュ感じることができる新感覚。面白いけどやっぱり価格に対して重量が気に入らない。プレミアムモデルというよりアニバーサーリーモデルとして発売した方がウケがよかったんじゃないか?っというのが初感。
やっぱり重い。ペガサスという大人気ジョグシューズの威を借りるのであれば、もう少し日々の扱いやすさを考えて欲しかった。プレミアム感を追求するために無駄な装飾が多く、重量より特別感に力を入れていることは見た目からもわかる。であれば、ペガサスファン向けのアニバーサリーモデルとして発売するか、タウンユースで使えるファッション重視のペガサス!という路線で発売した方が世間のウケがよかったのでは?広く販売するために、プレミアムという曖昧な名称で販売し、価格の高さでランナーからは敬遠され。ランニングシューズコンセプトであることから、ファッション業界でも話題にならない。コンセプトが迷子になっている印象を受けた。

クッション性能について

MAXレベル。地面を感じることはない。
分厚いが最下層に位置する『React X』のおかげで安定性は高い。
他シューズとのクッションレベル比較は↓を参考に。
【徹底解剖】シューズの特徴
ペガサスプレミアムの特徴は『豪華絢爛な装飾』『3層構造のミッドソール』『走法は自由』の3点。
豪華絢爛な装飾
贅を尽くしたランニングシューズはこちら。と言わんばかりの装飾。肉厚なシュータンであるが、蒸れないように穴あき加工がされており、シューレースには反射材が編み込まれている。アッパーも2層構造で作り上げるなど、かなり手の込んだ作りになっている。この造り込みを見れば、価格と重量が増すのも無理はないと感じる。(納得したとは言ってない)



3層構造のミッドソール
上から順に『ZoomX』『Air Zoomユニット』『React X』の3層構造になっている。それぞれに役割があり、『React X』は着地時の安定性を向上。中央に位置する『Air Zoomユニット』は着地衝撃を和らげ、反発力も生み出す。最後に体重で押し潰された上部の『ZoomX』が元の形に戻ろうとして、強力な反発を生み出す。この3層構造のおかげで、カーボンプレート非搭載であるが推進力が強い。プレート搭載シューズであるズームフライ6並の推進力がある。
※ペガサスプレミアムに搭載されている『ZoomX』はペガサスプラスで搭載されている素材ではなく、ズームフライ6に搭載されている素材に近い。

走法は自由
フォアフットやヒールフットなど様々な着地走法があるが、ペガサスプレミアムはオールマイティーに受け入れてくれる懐の広さを感じると共に、前足部と踵部で反発を感じることができる。この感覚は同社のヴェイパーフライ3に似ている。アルファフライ3の廉価版がズームフライ6である場合、ペガサスプレミアムはヴェイパーフライ3にコンセプトが近いと感じた。ただしヴェイパーフライ3は軽量性からピッチを上げて走ることが特徴のシューズ。ペガサスプレミアムは重く反発力が強いため、歩幅が広がるストライド向けのシューズ。決定的に違うが、着地時の感覚や反発ポイントは似ていると感じた。

気になる点
重量
しつこいですが、重いです。シューズを持ち上げたら「重っ!」と思うくらいに重いです。ただ反発力がある分、前にはしっかり進みます。「では他のシューズより優れているのか?」と聞かれるとそれは違う。ズームフライ6と近い推進力であるなら、ズームフライ6の方が軽くて走りやすい。ジョグシューズで重量のあるゲルニンバス26(27.5cm/308g)と比べると、リカバリーに反発力は不要であるため違う。新しいポジションのシューズといえば聞こえは良いが、器用貧乏という表現が近いと感じる。

Air Zoomユニットが剥き出し
側面から剥き出しなのはわかりますが、靴底から剥き出しなのは大丈夫なのか少し心配。流石に石や枝では試験済みと思いますが、尖った物を踏んだ場合はパンクするかもしれませんね…。

価格
いまさら取り上げる必要もありませんが、とにかく高いです。特別なシューズが欲しい方。ランニングは継続できるかわからない。最悪プライベートでも履き続けられるシューズが欲しい。という方にマッチすると思います。ですが、よっぽどデザインが気に入らないとこの価格帯は容易に手が出せないと思う。
ペガサスプレミアムがオススメな人
個人的には買わなくて良いシューズだと思います。ペガサスが大好きなファンや他の人とは違うシューズを履きたい方にマッチすると思います。(数量限定らしいので)
適正ペース
適正ペースを気にするシリアスランナーにはオススメ出来ません!それでも気になる方向けに参考として書き留めます。
普段のジョグ(4分35秒前後)感覚で、4分25秒〜35秒くらいで走れました。推進力は他ジョグシューズより確かにあるが、後半足が重くなってくる感覚がある。

オススメする人
・全面Air Zoomユニットの感覚を味わいたい人
・ペガサスが大好きなファン
・他の人とは違うシューズを履きたい人
オススメしない人
・シリアスランナー
・コスパを求める人
まとめ
総括:信者と富裕層向けシューズ。コンセプトが迷子。
好き勝手綴りましたが、無難なことを行わず革新的なことに挑戦し続け、業界に変えてきたナイキだからこそ期待していた。それだけに、今回コンセプトが迷子になっていると感じたことは非常に残念だった。ただ唯一、ランニングシューズでAirZoomユニットが全面に搭載されているシューズは本製品のみのため、今作のフィードバックから将来的なレースシューズの着想やランニングシューズの進化に寄与できることを願っている。あと次作は無難に『プレミアム2』とかいう名称での発売はやめて、素直にアニバーサーリーモデルとして出して欲しい。その場合、ペガサス50代目とかの記念になりそうだけど…。
購入先リンク
