『メタタイムトライアル』にて5キロのレース+α程度でありますが、着用の機会を得ることが出来たので情報共有。
メタスピードスカイパリ(METASPEED SKY PARIS)について
『メタスピードスカイパリ』は2024年2月末に発売されたアシックスのフラグシップレーシングシューズ。『メタスピード』シリーズの3作目となり、今作は大幅アップデートが実施された。ただ発売時期が2月末というマラソンシーズン終盤の登場であったことから、昨シーズンでは着用率が伸び悩んだ印象。また『メタスピード』シリーズは毎度『スカイ』と『エッジ』の2種類をラインナップしており、自身の走り方に合う商品をチョイスできるようになっている。実際のところ初心者は『エッジ』上級者は『スカイ』という棲み分けになっている状況。
引用元:METASPEED PARIS SERIES
♦️参考:前作との変更点
①ミッドソールが『FF Turbo』から『FF Turbo+』になり、反発性・軽量性・クッション性がアップ。
②『エッジパリ』のみミッドソール前足部の厚みが3mm増加。
③アッパー素材が『モーションラップアッパー』から『モーションラップアッパー2.0』になり、通気性アップ。
シューズ外観
側面
肉厚なクッションが目を奪う。
写真では赤色に見えるが、実物は真っ赤ではなく朱色。カラー名は『Sunrise Red/Black』。
背面
レースシューズのため反射材などはなし。
靴底
アウトソールはグリップ力に優れた『ASICSGRIP』を採用。雨の日でも安心して走ることが出来る。小指付近のアウトソール材を削っているのは、軽量目的だけではなく、体重が乗り難い小指側のクッション材もしっかり潰せるように考えられているとか。
またアウトソールの色が赤色は『スカイパリ』、黒色は『エッジパリ』と見分けることが出来る。
重量
27.5cm/188g
非常に軽い。
価格とサイズ感
定価:27,500円(税込)
大幅アップデートが実施されたにも関わらず前作と同額での発売に驚き。NIKEへの対抗策として市場戦略価格であると思われる。今作で市場を広げることが出来た場合、次作からは値上げが実施されると予想。
サイズ感:ハーフサイズアップがオススメ。
普段アシックスシューズは27.5cmのため同サイズをレンタルしたが、4キロあたりでつま先の詰まりを感じた。42キロ走る場合は必ず痛みを伴う状況であったため、ハーフサイズアップがオススメ。
♦️参考:他購入済みシューズサイズ
S4→27.5cm
マジックスピード3→27.5cm
ゲルニンバス26→27.5cm
ヴェイパーフライ3→28.0cm
【徹底解剖】シューズの特徴
メタスピードスカイパリの特徴は『フラット形状のカーボン』と『ミッドソール』の2点。
フラット形状のカーボン/ミッドソール
『メタスピードスカイパリ』はカーボンがフラット形状で搭載されており、走り出すと違いが明確に掴み取れた。(エッジパリはV字型搭載)フラット形状で搭載するメリットは、①カーボンの下に配置されたミッドソールを強く踏み潰すことで反発を強く受けられること。②地面とカーボンまでの距離が遠く足当たりが柔らかく感じ取れることである。特に前者の反発力を上手く活かすことが、このシューズを使いこなす上での必要なポイントとなるが、活かすにはフォワフット着地が必須になる。具体的にはミッドソールの黄色く着色されている付近で設置する必要がある。
実体験として、レース3キロ付近からシューズの足当たりが非常に硬いと感じる場面が何度かあった。シューズの構造上、足当たりが硬く感じるのはおかしいと思い、レース終了後何度かダッシュをさせて頂いたところ、ミッドフット着地の場合フラットカーボンが撓ろうとする力を足裏全体で押し殺していると感じた。また押し殺す際に、撓ったカーボンの力を足で受け止めることで足当たりが硬く感じ、疲労にも繋がると感じた。その後、フォアフット着地でダッシュを実施したところ強力な反発を感じることが出来た。以上よりフォアフット着地が必須なシューズであると感じたと共に、42キロをフォアフットで維持出来るのは上級者のみとなり、中級者以下は『メタスピードスカイパリ』が使い辛いと感じる要因になっているのだと思った。
クッション性能について
クッションレベル:HIGH
柔らかく感じた。地面とカーボンプレートの位置が遠いのがポイント。
ファーストインプレッション
すごっ!めっちゃストライド伸びる!シューズでこれほどまでに変わるのか!?っというのが初感。やはりストライド走法向けに作られたシューズだけにストライドの伸び方が凄まじかった。イメージとしては、ストライドが伸びることで普段より滞空時間が長くピッチを落とした省エネモードで走ることが出来た。このシューズを使えばストライドが伸びずに苦労している人達の改善方法の一つになると思う。ただしストライドを伸ばすには、先の通りフォアフット着地で走る必要があり、走力の低い私では長くても10キロ程度が限界であると感じた。
まとめ
結論:ストライド走法の方には強くオススメできるシューズ。履きこなせるようになりたい。
シューズの選び方として、自らの走りに合わないと感じたシューズには『No』と言いがちであるが、川内優輝選手は『メタスピードスカイ』に走りを合わせることで8年ぶりにベストタイムを更新したという逸話を残している。何が言いたいかというと、昨今はシューズの進化が凄まじく自らの走りよりもシューズに合わせた走り方をマスターした方が良い結果に繋がることもある。ということも頭の片隅におき、好きなシューズを好きなだけ履きこなしシューズと一緒にレベルアップしていくという方法もありなのではないか?と気付きを貰えたシューズであった。
注意喚起
現在フリマサイトでは、本製品の偽物が出回っている可能性があります。フリマサイトでの購入は十分に注意してください。情報源は、私自身がフリマサイトにてアシックス公式で発売されていないカラーを確認したためです。もちろん未発売カラーをはじめ、公式展開中のカラーも1万円強で販売されているため、今後偽物の掴み合いが始まる可能性が高いです。ご注意ください。(経験者談)