品切れ続きで購入機会を逃し続けたが、12/5の再販でついにゲットすることが出来たのでレビュー。
メタスピードエッジパリ(METASPEED EDGE PARIS)について
『メタスピードエッジパリ』は2024年2月末に発売されたアシックスのフラグシップレーシングシューズ。メタスピードシリーズは3作目となり過去作同様に『スカイ』と『エッジ』の2種類でラインナップされている。発売時期が2024年2月末というマラソンシーズン終盤の登場であったことから、昨シーズンは着用率が伸び悩んだ印象であったが、徐々に口コミでシューズの良さが広がり、気づけは入手困難なシューズに様変わり。今シーズンでは欲しくても購入することが出来ない状況に。なぜそんなに売れているのか?何が良いのか?『スカイ』と『エッジ』どちらを購入すれば良いのか?メタスピードパリシリーズの全てを解説していく。
引用元:METASPEED PARIS SERIES
シューズ外観
側面
カラーはオリンピックカラーを購入。パリの朝焼けにインスピレーションを受けた配色だとか。個人的には、木々が紅葉していくような成長を感じられるカラーリングで好き。
背面
レースシューズのため反射材などはなし。軽量化に重点を置かれている。
靴底
アウトソール材はグリップ力に優れた『ASICSGRIP』を採用。
またアウトソールの色が赤色は『スカイ』。黒色は『エッジ』と見分けることが出来る。
重量
28cm/190g
非常に軽い。厚底シューズでこの軽さは本当に凄い。
価格とサイズ感
定価:27,500円(税込)
大幅アップデートが実施されたにも関わらず前作と同額での発売に驚き。NIKEへの対抗策として市場戦略価格であると思われる。実際に今作で市場を広げることが出来ているため、次作からは値上げが実施されると予想。
サイズ感:ハーフサイズアップがオススメ。
普段アシックスシューズは27.5cmであるが、以前『スカイパリ』をレンタルした際に27.5cmで詰まりを感じハーフサイズアップで購入したところ指先に痛みがなく快適に走れている。
♦︎参考:他購入済みシューズサイズ
ノヴァブラスト4&5→27.5cm
ゲルニンバス26→27.5cm
ヴェイパーフライ3→28.0cm
アルファフライ3→28.0cm
ファーストインプレッション
ヴェイパーフライ3のクッションが少し固くなったバージョンじゃん。しかも薄底シューズくらいに軽い。この軽さでミッドソール材の硬度も程よいとかフルマラソンに最適なシューズだな。あとめっちゃ絵の具の匂いがする笑。というのが初感。
いきなり他社シューズ名が出てしまいましたが、ヴェイパーフライ3に凄く似ているシューズです。その上でミッドソール材の硬度が少し固くなっているため、サブ3を目指しており30キロ以降に足が売り切れてしまうランナーに最適なシューズであると感じました。そう。まさに私。このドンピシャなハマり具合に感動した。早速4分10秒で10キロ走ってきましたが、素晴らしく良い感触で走り切ることが出来ました。あと絵の具の匂いはミッドソール材の着色塗料の影響だと思います…。
クッション性能について
HIGHレベル。スカイパリ同様に適度な硬度があり、MAXレベルほど柔らかくない。
他シューズとのクッションレベル比較は↓を参考に。
【徹底解剖】シューズの特徴
メタスピードエッジパリの特徴は『進化したミッドソール』『V字形状のカーボンプレート』『軽量性とフィット感』『滑らない靴底』の4点。
進化したミッドソール
今作から新ミッドソール材である『FF Turbo+』を採用。以前のミッドソール材(FF Turbo)より反発性・軽量性・クッション性がアップしたと公言されているように、前作より足当たりが柔らかくなった。柔らかくなることで地面からの衝撃をより抑えることができ、マラソンにおいて足を温存することが出来るようになった。反面、柔らかすぎるとクッション材のブレを体や関節で抑える必要が出てきてしまい疲労に繋がるが、この『FF Turbo+』は程よい柔らかさと硬さに仕上げられている。まさにサブ3ギリギリ!を狙っている人にベストマッチする硬度。人によっては硬いと感じるかもしれないが、そのような方はナイキの『ヴェイパーフライ3』がオススメだ。
V字形状のカーボンプレート
癖のないカーボンシューズ。この一言に尽きる。メタスピードシリーズのもう1種類である『スカイパリ』はフォアフットでなければ、シューズの良さを引き出すことが出来なかったが、『エッジパリ』は設置方法を問わない誰でも扱えるシューズ。その上で、ペースコントロールが自由自在に行えるシューズ。靴なんだから当たり前でしょ?と思われるかもしれないが、昨今のフラグシップレーシングシューズは靴に走らされるシューズも多く存在している。ペースを落としたいのにうまく落とせない。これ以上ペースを落としたら走りにくい。などのシューズも存在しているのだ。その点『エッジパリ』は地面を押すパワーを落とせば自然とペースを落とすことができ、ペースコントロールを自由自在に行えるのが素晴らしく扱いやすい。設置方法を問わない、ペースコントロールが自由自在。まさに誰でも扱いやすいレースシューズに仕上がっており、今作は『スカイパリ』よりも『エッジパリ』が売れていることがよくわかる。
軽量性とフィット感
さすがアシックスさん。軽量性よりもユーザーのフィット感を重視してくれる懐の広さに感動した。この手のレーシングシューズはカタログスペックで語られることが多く、1gでもシューズの軽量性を重視した方がウケが良いにも関わらず、履き口のクッション材が他社のレーシングシューズに比べフカフカで快適。その上で200gを切る軽量性。ピッチ走法向けの『エッジパリ』にさらなる追い風と言わんばかりに足が軽快に回る。
滑らない靴底
アウトソール材は『ASICSGRIP』を採用。路面状況に影響を受けず安心して走ることが出来るため、レース当日の心配事を一つ減らしてくれるデカい味方。個人的にアウトソール材は『ASICSGRIP』とアディダスの『コンチネンタルラバー』が良い感触です。
メタスピードエッジパリがオススメな人
個人的に大満足してます。ただミッドソールの硬度が人によっては硬いと感じる可能性があるのは気になるところ。
オススメする人
・フルマラソンで最後まで足が残らない人
・サブ3以上を目指している人
・ミッドソールに適度な腰(硬度)が欲しい人
オススメしない人
・サブ3.5以下の人(他シューズで対応できるため)
・柔らかいミッドソールが好みの人
まとめ
総括:1家に1足用意したいシューズ。
ランナーのご家庭であれば、冷蔵庫・洗濯機・掃除機・メタスピードエッジパリの順で揃えておきたい。それくらい万人に扱いやすいシューズであると感じた。公式にも1世帯に1点限りと記載があるので、購入できるチャンスがあった際は是非狙ってみてください。
【おまけ】他シューズと比較
エッジパリ VS スカイパリ
見た目は全く同じですが、シューズの特性は全く違います。「エッジパリが売り切れているからスカイパリを購入しよう」といった考えはオススメできません。
スカイパリはフォアフットで着地し、カーボンの撓りとクッション材の反発でストライドを広げて走るシューズです。ストライドの伸びが凄まじくドンドン前に進む推進力を味わえますが、フォアフットで42キロを完走出来るのは限られた方になるため、安易に手を出すのはオススメできません。反面、エッジパリはスカイパリほどストライドが伸びませんが、ピッチでペースコントロールを行い前に進んでいくことが出来ます。そのため扱いやすさは圧倒的に『エッジパリ』になります。
より詳しい解説は↓を参考に。
エッジパリ VS エッジ+
前作の『エッジ+』に比べ、クッション力と推進力に大きな進化を感じます。『エッジパリ』の後に『エッジ+』を着用すると「薄底シューズか?」と思わせるくらい違いがあります。自分の足で蹴って進んでいく感覚が好み方は前作の『エッジ+』が相性良いと思いますが、クッション材の反発で前に進んでいく感覚は『エッジパリ』の方が強く、昨今の厚底らしいシューズに仕上がっています。
エッジパリ VS ヴァイパーフライ3
非常に似ているシューズです。ヴェイパーフライ3の方がミッドソールが柔らかくブニュブニュとした感覚を味わえます。柔らかいシューズが好みの方はヴェイパーフライ3が合うと感じますが、30キロ以降足が残らない私は、ラストの踏ん張りが効かず苦い思い出があります…。そのため走力がサブ3に満たしておらず、サブ3に挑戦したいランナーにはエッジパリの方が適していると感じました。あと定価による価格差も約1万円ほどあり、エッジパリの方が経済的でもあります。
より詳しい解説は↓を参考ください。
【注意喚起】偽物に注意
あまりに品薄で購入できない点からフリマサイトで偽物が出回っています。そのため公式オンラインショップor正規販売店で購入するように心がけましょう。どうしても手に入れたくてフリマサイトで購入する方は細心の注意を払いましょう(購入元を確認するなど)。
偽物を掴んだ際の苦労話は↓にまとめてます。