【レビュー】アシックス メタフジトレイル 滑り知らずで突っ走れ!

-シューズ-

アシックスのトレランフラグシップモデル。気にならない訳がなく購入レビュー。

メタフジトレイル とは

メタフジトレイルはアシックスのフラグシップトレランシューズ。最上位ロードモデルで採用されていた「FF Turbo」と「カーボンプレート」を搭載し、不整地でもスピードを追求できるように開発された。アシックスのトップモデルにのみ命名される「メタシリーズ」の称号を与えられたこのシューズ。不整地でも本当に早く走れるのか気になり購入レビュー。

引用元:アシックス公式 トレラン特集

シューズ外観

側面

アッパーは生地ではなく、柔らかいビニールのような素材。過酷な環境でも耐えられるよう、分厚く丈夫であるが、排水性や通気性もしっかり兼ね備えている。例えるのが難しい素材。

背面

反射材やプルストラップはなく、レースモデルらしい軽量性を意識した作り。踵部の模様は高低差をトレースしている物と思われるが、どの山か見当もつかない…。

靴底

強力グリップでお馴染みの「ASICSGRIP」を採用。迷彩模様でオシャレ。

重量

28cm/272g
トレランシューズは耐久性やアウトソール材をしっかりとした作りにするため重くなる。250gを切ると軽量級を名乗れるレベルであると考えているが、フラグシップモデルで272gは重いと感じる。ロードのトップモデル(メタスピード東京)と履き比べると水の中を走っているように重い。

価格

定価:29,700 (税込)
高い。フラグシップを名乗るシューズはこの価格帯に落ち着きますね。ただ、作りに妥協を感じる点が見られないのは流石さすがとしか言いようがない。

サイズ感

サイズ感が難しい。試着することをオススメする。
「メタスピード+シリーズ」と似た見た目(金型流用?)のため、同サイズ(28cm)を購入するも微妙にサイズ感が違う。具体的にはメタフジトレイルは0.3cmほどデカく感じる。直営店限定モデルのため試着できる場所は限られるが、サイズが合わない場合は素直に交換させてもらうことも視野に入れておくことを薦める。

♦︎参考:他購入済みシューズサイズ
ノヴァブラスト4&5→27.5cm
ゲルニンバス26&27→27.5cm
メタスピードパリ&東京→28.0cm
ヴェイパーフライ4→28.0cm

ファーストインプレッション

さすがトレランシューズ。フラグシップでもズッシリと重さを感じる。4分15秒/kmほどの出力で走るが4分30秒前後になる。反発が弱いのか?いや、カーボンプレートを曲げることができず推進力を得ることが出来ていない感覚。この硬さは不整地での安定感を生み出すことを優先している気がするな。っというのが初感。
メタスピードシリーズの感覚で履くと、あまりの違いに面食らった。やはりトレランシューズは不整地を進んでいくため、反発<安定感にならざるを得ない。結果として、ロードシューズで得られるような反発の実現は難しく、硬い素材の組み合わせで安定感を出す方向性になっていると感じた。ただ、ロードでは硬く感じるが、トレイルに入ると硬さを感じることはなくなった。

クッション性能について

MEDIUMレベル。
ロードではMEDIUMレベルに硬く、トレイルではHIGHレベルの硬さ。しっかりと厚みのある厚底シューズであるが、搭載されている「FF Turbo」は硬めのミッドソール材であり、カーボンプレートもかなり硬い。下層部に搭載された「FF Blast+」が唯一柔らかく感じられるが、踵着地時に恩恵を受けるミッドソール構成のため、下り路面におけるブレーキをかける際に優しさを感じられる設計になっている。

【徹底解剖】シューズの特徴

ASICSGRIPが強力すぎる

アシックスのトレランシューズを好んで履いている理由はここ。ASICSGRIPが強力で滑る不安が一切ない。スピードを出して走っている時、一度でも滑ってしまうと恐怖心が芽生え、スピードを上げていくことが出来なくなる。ただでさえ、路面状況が悪く気を遣うポイントが多いトレランにおいて、グリップ力を気にせずグイグイ前に進んでいくことが出来るASICSGRIPは最強以外の何者でもない。

グリップパターンが秀逸

スピードに乗って蹴るポイントである母指球は三角形に。ブレーキで使う踵部分は路面とより強い抵抗を出せるよう逆三角形に。っといった具合に、グリップパターンがきめ細かく変えられている

耐久性を上げる工夫

つま先周辺は岩にぶつけることが多く、通常のアッパーであれば破れやほつれに繋がりやすい。そんな弱点箇所をしっかりと補強してくれており安心感(耐久性)が高い。また補強に合わせてデザイン性を損なわない配慮が素晴らしい。

フィット感は文句なし

さすがフィット感に定評のあるアシックス。フラグシップモデルであるが、履き口には肉厚なクッションを搭載し長時間のトレイルにおいてもトラブルが起きないように仕上げてある。軽量性を優先するならクッション材は減らすべきであるが、足との密着度を上げることで砂や石が入りづらくなっていることは加点材料。

気になる点

プレートの必要性

トレランにおいてカーボンプレートは必要なのか?と改めて考えるくらい、プレートが硬すぎて推進力を感じ取れない。ミッドソール材が柔らかい場合の補強目的であれば、有用性はあると思うが、元々硬めのミッドソール材であればプレートは不要ではないか?と感じた。平地で硬い路面が多いレースであれば活躍できるかもしれないが、メタフジトレイルの場合、平地でも硬すぎて効果があるのか不安になるレベル。下りのスピードで折れないプレートにするにはこれだけの強度が必要なのか…?開発者と会話したい。

ミッドソール材が2層構造の理由

ミッドソール材が「FF Turbo」と「FF Blast+」で2層構造になっている理由が気になる。「FF Turbo」は硬めの素材であるため、ウルトラトレイルなどの長時間移動を考慮しクッション性を取り入れたかったのか?それともトレイルは起伏の連続であるため「FF Turbo」などの高反発材をフルレングスで搭載するメリットが弱いのか…?真相はメーカーのみ知る話であるが、次作は軽量性を意識して「FF Turbo+」などの軽量ミッドソール材がフルレングスで搭載されるのではないか?と予測する。

メタフジトレイルがオススメな人

個人的に購入して満足しています。ASICSGRIPしか勝たん。ただ今後こればっかり使うのか?と聞かれると怪しく、プレートの硬さが際立つため低山や平地が多いスピードレースで活躍させたいと考えている。

オススメする人

・フラグシップトレランシューズを試したい人
・滑り知らずでガツガツ進みたい人
・平地の多いレースで履くシューズを悩んでいる人

オススメしない人

・順位やタイムを気にしていない人
・安価なシューズを探している人

まとめ

総括:滑り知らずで突っ走れ!
この一言に尽きる。トレイルで滑らない安心感は偉大。元々メタフジトレイルはリーク情報時点から気になっていたシューズであり、早期に購入していたがロードにお熱でレビューが遅れに遅れた…。見た目はメタスピード+シリーズの金型を流用しているのかな?と思わせる見た目のため、次はメタスピードパリシリーズっぽい見た目で発売されるのかもしれない。ロードに比べて流通量は多く見込めないジャンルであるため、上手くコストカットしながら継続して欲しい。

購入先リンク

おまけ

見た目が似ている件

メタフジトレイルの下層部は少しチューニングされているが、やはり似ている。

デザインがカッコイイ

アシックスのトレイルシリーズで採用されているアシックスストライプがカッコイイ。この野生み溢れる感じがたまらない。

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