ついに5代目！気合いが入ってるのかスペックだけ見ると、もはやレースシューズなのでは…？と思い期待とワクワクの購入レビュー。
マジックスピード5(MAGIC SPEED 5)について
「はじめてのカーボンプレート入りシューズ」へ挑戦したいランナーに向けて発売されるマジックスピードシリーズ。今作で5代目となり、過去作までに比べフラグシップモデルに近いシューズへパワーアップ。スペックだけ見るとかなりスパルタンなシューズ。本当に初めてのプレートシューズデビューに適したシューズなの？過去作と比べてどうなの？チェックしていく。
シューズ外観
側面
アッパーは『エンジニアードメッシュ』を採用。前作同様の素材名であるが、軽量目的で生地が薄くなりスピード重視に寄せてきた。
背面
軽量性重視で反射材やプルストラップなどの装飾なし。ヒールカップはガッチリ補強されており、踵が抜けるなどのトラブルは一切感じられない。そしてフラグシップモデル同様に、安定感向上を目的としたミッドソールの張り出し量が増えている。
靴底
アウトソール材はグリップ力で評判の良い『Asics Grip』を採用。滑り知らずでスピードロスがなく、安心感も非常に強い。またエントリープレートシューズは靴底から魅えるプレートがオシャレ。
重量
28cm/209g
前作よりも40g軽くなり、他社フラグシップシューズに肉薄する軽量っぷり。これがエントリーモデルって…。アシックス半端ない。
価格
定価：19,800円（税込）
前作より1,100円の値上げ。とはいえ、エントリーカーボンシューズが2万円を超えない価格設定は非常にデカい。ジョグシューズからレベルアップする友人に進めやすく、シューズ性能の違いを体感してもらえる。（そしてシューズ沼にハマってもろて…）
| シューズ名 | マジック スピード5 | マジック スピード4 | ズームフライ6 | ディヴィエイト ニトロ 3 |
| 価格 (税込) | 19,800円 | 18,700円 | 18,700円 | 22,000円 |
サイズ感
ハーフサイズアップがオススメ。
アシックスのジョグシューズは27.5cmを購入するが、プレート入りシューズはハーフサイズアップが恒例になっている。
♦︎参考：他購入済みシューズサイズ
ノヴァブラスト4＆5→27.5cm
ゲルニンバス26＆27→27.5cm
マジックスピード4→28.0cm
メタスピードパリ＆東京→28.0cm
ファーストインプレッション
あれ？前作より薄くなってるのに柔らかいぞ。見た目は中底っぽいのに、地面を感じるほど薄くない。ちゃんと厚底シューズに仕上がってる！っというのが初感。
これは驚いた。届いて手に取った時「今回は3作目のような中底に戻ったな〜。こりゃ賛否分かれそうだ」っと思っていたが、履くとちゃんと厚底シューズだった。ミッドソール素材の進化が目覚ましい。そして今作からフラグシップモデル特有の着色料の香り(絵の具の匂い)がするし、着地時の音が軽量ミッドソール特有の「スコスコ」と抜けた音がする。これはもうエントリーモデルではない。
クッション性能について
HIGEレベル。
ミッドソール材は2層に分かれており、上層部は反発力を狙った『FF Leap』。下層部は着地時の安定感を狙った『FF Blast+』を採用。特に『FF Blast＋』の採用範囲は薄く見えるが、密度が高く非常にカッチリとしている。「これだけカッチリしていると設置感は硬めのシューズになっているのでは？」と推測していたが、履いてみると『FF Leap』がすこぶる柔らかく、前作よりもミッドソールの厚みが薄くなったにも関わらず、着地時は明らかに柔らかくなっている。『FF Leap』が凄すぎる。
【徹底解剖】シューズの特徴
エントリーモデル（大嘘）
これで初めてのカーボンシューズデビューをしたら、安易に他社のカーボンシューズが履けなくなる。明らかに性能が上振れしすぎ。間違いなく、数年前のフラグシップモデル以上の性能を有している。これがエントリーモデルを語る時代恐ろしすぎるッピ。こんな高性能なシューズが2万円以下で購入出来たら、今後他社が半端なエントリーカーボンシューズを販売した時、売れなくなってしまう。もはや牽制というより、このカテゴリーを破壊しにきてる。
着地法を選ばない贅沢設計
反発力の強い『FF Leap』が上層部に余すことなく採用されたことで、着地法を選ばれない誰でも履けるシューズに進化した。前作は前足部にのみ高反発素材である『FF Turbo』が採用され、フォアフットランナー優位な設計であったが、今作は大きく生まれ変わった。
軽量へのこだわり
公式値で「27cm/196g」っと重量200gを切りたい。という想いをヒシヒシと感じる。この想いは随所に散りばめられており、アッパー素材は前作同様の『エンジニアードメッシュ』を採用しているが、前作よりも明らかにスケスケに。ミッドソールは40mmギリギリ設計ではなく37mmまで削るなど。フラグシップモデルが軽量化戦国時代を争う中で、エントリーカーボンシューズのジャンルにまで軽量性を武器に殴り込んできた。アシックス恐ろしい子。
アウトソールのパターンが進化
滑らないことでお馴染みの『Asics Grip』採用となるが、今作はパターンに凹凸が生まれ、より地面を噛む力が上がった。ゴム素材(Asics Grip)だけでも十分な性能があったにも関わらず、さらなる進化を遂げたことは素直に嬉しい。凹凸の耐久性は気になるところであるが、従来の凹凸なしVerでも十分なグリップ力が合ったため、削れるまでのボーナスタイムを有意義に楽しもう。
気になる点
ミッドソールが薄くなりドロップ差もダウン
前作は世界陸連ルール度外視の43ｍｍミッドソールで登場したが、今作は軽量化に注力したのか37ｍｍと6ｍｍも薄くなった。結果として、ドロップ差が7ｍｍへダウンしシューズが勝手に転がっていく感覚が弱くなった。そのため、前作は置いて走るシューズ。今作は蹴って走るシューズになった。
サイズ展開がユニセックスに統一
フラグシップモデル同様にユニセックスのみに統一。コストダウン目的と思われるが、足が細めの方は従来のシューズサイズで問題がないか要注意。
マジックスピード4がオススメな人
個人的に購入して大満足してます。前作も気に入っているが、蹴る走りを行う私個人としては、今作の方が合っていると感じた。また少し柔らかさが増したのは、長い距離を走る上で強く恩恵を感じる。
適正ペース
42キロ走ると仮定した場合、4分20秒〜30秒/キロがオススメ。サブ3ペース(4分15秒)より早く走ることも勿論出来るが、サブ3ギリギリ狙える私レベルだと、もう少し楽できるフラグシップモデルの方が目標達成の確率が上がると感じた。
オススメする人
・サブ3.5以上を目指す人
・蹴って走るタイプの人
・コスパの良いシューズを探している人
オススメしない人
・転がるシューズが好きな人 (前作がオススメです)
・1キロ5分より遅いペースで走る人
まとめ
総括：エントリーの意味を知らないフリするアシックス。
オーバーキルしにいく姿勢嫌いじゃない。今後他社がどんな性能のシューズでこのカテゴリーに殴り込みに来てくれるのかとても楽しみになった。特にズームフライ7とか。最近ときめくシューズが減ってきた中で、まさかエントリーモデルでここまで心を踊らせてくれるとは思ってなかった。マジックスピード4が馬鹿売れだったため、どれだけの人が乗り換えるのか楽しみなところ。今後の街ランでじっくり観察していきたいと思う。
購入先リンク
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おまけ
過去作と比べて
今作は3作目と4作目のいいとこ取りで作られたシューズだと感じた。アッパーは3作目のようにフラグシップモデルに近い製法で作成。ミッドソールは3作目ほど薄くなく、4作目ほど厚くない。などなど、過去作を踏襲されているように感じた。ただ3作目と4作目、どっちと似ているのか？と問われると、3作目の設計思想が近いと感じており、よりスピード重視のアップデートを施してきたのは間違いない。
サブ3狙いで履くシューズ難しい問題
現在のフラグシップモデルである『メタスピード東京シリーズ』はサブ3目的で履くには、性能が高すぎて履きづらいと感じているのが正直なところ。そこで『FF Leap』をガッツリと採用した『マジックスピード5』であれば、サブ3も余裕で目指せる性能で発売されるかも？と期待していたが、サブ3ギリギリ狙うレベルの私には少し助力が足りない気がしている(贅沢者ですみません)。こうなると終売した『メタスピードパリシリーズ』が一番しっくり来ると感じており、シューズ選びって難しいなって改めて感じた。
