アディダスのいまさらシリーズ第2弾。発売から半年経った現在も最前線で活躍できるのかレビュー。
ボストン13 とは
ジョグからレース(サブ3.5)まで幅広く使用できる万能シューズ。前作からヒールカップ周りのクッション材増量、ミッドソールで採用されている高反発素材『LIGHTSTRIKE PRO』の増量っといった具合に着実なパワーアップを遂げたモデル。昨今ランニングシューズが数多ある状況で、万能シューズのボストン13は活躍できるのか?敢えてこのシューズを選ぶ必要があるのか。チェックしていく。

外観
側面
アッパーは『エンジニアードメッシュ』を採用。パリッとしており、伸縮性のない素材。足当たりの優しいニット素材を採用していないことから、スピードを出して走ることを視野に入れた設計思想が窺える。


背面
ヒールカップは頑丈で、軽量化よりもフィット感向上を意識した作り。お気持ち程度の反射材がちょこっとついている。

靴底
アディダスでお馴染みの『コンチネンタルラバー』を蹴り出し箇所に採用し、滑らないアウトソールを実現。着地点などは軽量性を意識し『LIGHT TRAXION』を採用。

重量
28cm/277g
他社のプレート入りモデルと比較すると少し重め。とはいえ、前作より15gの軽量化が行われた。

| シューズ名 | ボストン13 | マジックスピード5 | ズームフライ6 | EVO SL |
| 重量 (28cm実測値) | 277g | 209g | 262g | 235g |
価格
定価:18,700円(税込)
前作よりパワーアップしているにも関わらず、価格据え置きなのは素直に凄い。企業努力を感じる価格設定。
| シューズ名 | ボストン13 | マジックスピード5 | ズームフライ6 | EVO SL |
| 定価 (税込) | 18,700円 | 19,800円 | 18,700円 | 19,800円 |
サイズ感
ハーフサイズアップがオススメ。
前作は作りがデカく通販購入者の皆が阿鼻叫喚したが、今作は普段通りに戻った。ナイキと同じサイズ感で購入すれば大丈夫。
♦︎参考:他購入済みシューズサイズ
ノヴァブラスト4&5→27.5cm
ペガサス41→28.0cm
EVO SL→28.0cm
アディオスプロ4→28.0cm
ファーストインプレッション
想像以上にフラットで安定感の高いシューズだな。『LIGHTSTRIKE PRO』で得られる反発は微力。それ以上に『LIGHTSTRIKE 2.0』と『ENERGYRODS 2.0』によるカチッとした安定感が印象的。一足で全ての練習をこなしたい初心者向けシューズかな。っというのが初感。
前作よりLIGHTSTRIKE PROが13.8%増量。っと公式情報を聞いていたが、増量による反発力向上を体感することは出来なかった。またプレートとして搭載されているENERGYRODS 2.0は助力目的というより、安定感向上を狙ったギブス的な役割と感じた。

どのシューズと似てる?
アディゼロジャパン8を分厚くしたシューズ。
ミッドソール構造が似ており、違いは厚みと搭載されているプレート。プレートに関しては、両者ともに助力よりも安定感向上を目的とした物になっているため、あまり気にする必要はないと思う。『より薄く設置感を感じやすいアディゼロジャパン8』と『分厚く足を労わりながらも安定感の高いボストン13』っといった感じ。
クッション性能について

HIGHレベル
ドロップ差:6.5mm(前足部30.5mm / 踵部37mm)
上層部に柔らかい『LIGHTSTRIKE PRO』を搭載しているが、骨状プレートの『ENERGYRODS 2.0』と下層部の『LIGHTSTRIKE 2.0』により、設置感(地面)を感じるクッション性能。またドロップ差も6.5mmであることから、コロンっと前に転がっていく感覚はなく、自らの脚力と『LIGHTSTRIKE PRO』の反発力で歩を進めるシューズ。そのためスピードコントロールは行いやすいが、楽に走れるシューズではない。ジョグ用シューズとしては王道っといった感じ。

【徹底解剖】シューズの特徴
よくある二層構造じゃない
ボストン13のミッドソール構造は凄い! 上層部に『LIGHTSTRIKE PRO』、下層部に『LIGHTSTRIKE 2.0』を搭載。っとよくある二層構造のように思えるが、着地点となる小指付近は下層部まで『LIGHTSTRIKE PRO』で盛られている。これに気づいた時「開発者は天才か!?」って驚いた。下層部は安定感を出すため、硬めのミッドソール材で統一されるのが主流であるが、ボストン13は着地衝撃は優しく受け止め、蹴り出しは安定感のある工夫がされている。よく考えられた構造であり、普通に凄い。

滑らないアウトソール材
昨今、少し値の張るジョグシューズには良いアウトソール材を搭載するのが当たり前になりつつあるが、やはり嬉しい。雨上がりやタイルの上で、変な緊張感なくフォームを維持できるのは怪我予防の観点からも大切。そしてコンチネンタルラバーは安心感と信頼性があり、ポイントが高い。

軽量化とフィット感向上の両立
公式発表で前作より15g軽量化に成功。軽量化のデメリットとして、フィット感が損なわれがちであるが、今作はフィット感を上げつつ軽量化を実現。前作は踵部のクッション材が少なく、ホールド感が微妙であったが、今作は肉厚なクッション材を搭載。またガセットタン構造により、甲周りのフィット感は引き続き良好で、シューズ全体で足をガッチリと固定してくれるようになった。これにより長時間着用するロング走においても、最後まで違和感なく完走できるようになった。


気になる点
ENERGYRODS 2.0 の側面は飾り…?
ミッドソールに搭載されているグラスファイバー製の『ENERGYRODS 2.0』は側面に張り出している形状であるが、公式サイトのスケルトン画像を確認する限りでは、それらしいパーツが見当たらない。すなわち性能に関係のない飾りなのでは…? 無駄な装飾で重量上げるなよ!っと思う気持ちと、ジョグシューズには性能よりロマンだろ!っという何とも歯痒い気持ち。


ボストン13 がオススメな人
個人的に購入する必要なかったかな…。と思ったシューズでした。1足で幅広く練習をこなす!という方にはオススメできるが、複数足履き分けて練習を行う人には器用貧乏で尖った点が少ないボストン13は微妙と感じる。これを踏まえてオススメできる人は下記になる。

オススメする人
・ジョグからレースまで1足でコスパよくランニングを始めたい人
・クッションが柔らかくグラつくシューズが苦手な人
・ENERGYRODS 2.0 を味わいたい人
・不整地も走れる安定感の高いシューズを探している人
オススメしない人
・複数足のシューズ履き分けを行う人
・安定感よりも反発力を重視したい人
適正ペース
サブ3を目指すレベルの私だと、何も考えず走った時に5分前後くらいのペースが心地よかった。フラットシューズで安定感の高いミッドソール構造から、3分30秒ペースに上げた場合もシューズのレスポンスが遅れてくるといった感覚はなかったが、単純に助力が弱く、速いペースで巡航を続けるのは少し大変になってくる。そのためジョグの間にウィンドスプリントを入れたいなどの用途には問題なく対応できる。
まとめ
総括:ちょっと贅沢なジョグシュー
最近はアディダスもシューズラインナップが細かくなりすぎて『ボストン13』の存在意義が微妙。『SL2』というジョグからスピード練習まで行える安価な軽量シューズがあり、さらにプレミアムモデルとしては完全上位互換の『EVO SL』がある。「ボ、ボストン13には『ENERGYRODS 2.0』があるし!」って反論したいが、グラスファイバー製で反発力よりも安定感向上を目的としたギブスのような感覚が近い。じゃあ誰が履くの?ってなると「SLはクッションが硬くて嫌だ。スーパーノヴァライズだと反発力が足りない!」っという、ニッチな層にしか刺さらない気がする。そうなるとボストンかEVO SLを検討すると思うが、現在の市場の勢いではEVO SLを手に取る人の方が圧倒的に多いだろう。そういう意味で微妙な立ち位置の「ちょっと贅沢なジョグシュー」という表現がハマる。シューズの特徴でも挙げた通り、他社にはない素敵な工夫がされた良いシューズであるのは間違いないが生まれる時期が悪かった。という最悪の慰めしかできない。

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