規格外シューズで業界を騒がすことがお馴染みなってきているアディダス。その中で陸連ルール度外視シューズである『プライムX2 ストラング』を購入レビュー。
プライムX2 STRUNGとは
ミッドソール材の厚みが50mm、カーボンプレートが2枚入り。という「ぼくの考えたさいきょうシューズ!」と言わんばかりの規格外シューズ。何が凄いのかというと、陸上競技連盟が定めるシューズ規定として道路競技は、ミッドソールの厚み40mm以内、カーボンプレート1枚まで。というルールがあり、各メーカー規定内で優れたシューズを作成できるよう凌ぎを削っている状況である。そんなルールの中でシューズを作成するのが当たり前の状況で、アディダスは規定に縛られない変態シューズを発売してきた。コンセプトは「未知の速さを体験したいランナーへ」。こんな浪漫しか詰まっていないシューズ。男の子なら誰しもが気になる。
シューズ外観
側面
ここまで分厚いミッドソールは見たことがない。履くと理論上身長が5cm伸びるので、もはやシークレットブーツ。
背面
アディダスでお馴染みの折り畳めるプルストラップ。反射材などの装飾はなし。
靴底
幅広い靴底にコンチネンタルラバーが贅沢に使用されている。
重量
27.5cm/299g
かなり重たい。持ち上げると「重っ!」ってなるくらいには重い。
価格とサイズ感
定価:39,600(税込)
価格も規格外。何も知らない人も価格で興味を持ってくれるレベル。この金額を払って公認記録にならないのであれば履いている人が少ないのも頷ける。
サイズ感:幅狭な方は通常サイズでOK。幅広な方はハーフサイズアップがオススメ。
私は通常サイズで購入したところ幅で苦労している…。詳しくは後述する【気になる点】で解説。
他シューズサイズとの比較は下記を参考に。
ファーストインプレッション
重っ!でも履くとフィット感がタイトで不思議と重さは気にならない。走ってみると…。さすが規格外シューズ。バピューンって足が進んでいく。ストライドの伸びが恐ろしい。でも前足部の膨らみが強く、ふくらはぎさんが痛い痛いなのだ。っというのが初感。
やはりカーボンプレート2枚入りは凄い。着地の度にロイター板を踏みつけている感覚になる。特にスピードを出していない、踏み付ける力が弱い状況(キロ5分程度)でもストライドがグングン伸びていき、シューズ性能の高さを痛感した(コレガヨンマンエンノチカラ)。ただ、前足部で3層構造になっているミッドソール材『LIGHTSTRIKE PRO』の主張が激しく、自ずとフォアフット気味で着地してしまう。結果、日頃慣れない走法に強制され、いつもより早いタイミングでふくらはぎが悲鳴を上げた。
クッション性能について
MAXレベル。地面を感じることはない。加えて非常に柔らかく足当たりは優しい。
他シューズとのクッションレベル比較は↓を参考に。
【徹底解剖】シューズの特徴
プライムX2 STRUNGの特徴は『規格外ミッドソール』『頑丈なアッパー』『滑らない靴底』の3点。
規格外ミッドソール
このシューズでしか体験することができない『LIGHTSTRIKE PRO』3層構造に加え、カーボンプレート2枚入り。爆発的な反発力でいつも以上の実力が発揮でき、肉厚なミッドソールにより着地による衝撃が緩和される。その上でつま先立ちが出来ないくらいにロッカー構造が強く、前重心になると勝手に足が前に進んでしまう。反発力とロッカー構造からもロング走など長い時間を走りたいランナーにオススメできる。
頑丈なアッパー
アッパーはアディダス独自の『ストラング』を採用。見た目通りでしなやかさはなく、継ぎ目のない1枚のアッパーでガッシリとした作りになっている。伸縮性がないためシューズ内で足が動くことなく固定され、履けば重量が300gもあるシューズとは思えない軽やかさで走ることができる。
このアッパー素材が使われている現行品シューズは短距離フラグシップスパイクの『プライムSP3 ストラング』と本商品のみであり、特別感からもポイントが高い。
滑らない靴底
個人的に気に入っている、滑らないアウトソール材『コンチネンタルラバー』を採用。濡れた路面など場所を選ばす安心して走ることができる。またアウトソールからは2枚入りのカーボンプレートを覗くことができる。
気になる点
サイズ選びが難しい
特徴でも上げた、ガッシリとしたストラングアッパーにより伸縮性がなく履きづらい。また足幅の広い私のような人間には、アッパーが伸びないため走っていると足が痛くなってくる。靴紐を緩く縛ることでなんとか対策が出来ている状況であるが、日頃からWIDEサイズモデルのシューズを購入する方はワンサイズアップでの購入がオススメだ。
前足部の膨らみが強い
外観からは見受けられないが、実際に走り出すと3層構造の『LIGHTSTRIKE PRO』による主張が激しく、前足部から着地してしまうケースが多かった。結果、普段とは違うフォアフット走法で強制される形となり、慣れるまではふくらはぎが酷使されている感覚が強い。
プライムX2 STRUNGがオススメな人
個人的には所有欲を満たしてくれたり、特別な体験をさせてくれる。という観点から満足しています。そのため、すでに日々のランニングで満足している方には無用の長物と思われる(公認記録にもならないため)。その点を踏まえオススメできる人は…。
オススメする人
・規格外の未知なシューズを体感したい人
・シューズの助力を受け、より長い距離を走りたい人
・プレミアムなシューズが欲しい人
オススメしない人
・シューズにはコスパを重視する人
まとめ
総括:特別なシューズ
このシューズは、いつものランニングに刺激を与えてくれる特別なシューズであると感じた。商品購入後から到着まではいつも以上にソワソワしましたし。いつも履く前にはワクワクして走り出すことができる(走り出すと横幅痛くて現実に戻る時もありますが笑)。そういった意味でも通常の靴では味わえない特別な体験をさせてくれるシューズだと感じてます。毎日練習していると疲れが溜まって走るのが嫌になる日もありますよね?そんな日にこのシューズがあれば、とりあえず走り出そうと思える日が増えるかもしれませんね。