【レビュー】アディゼロ EVO SL ランニングから日常まで使える万能シューズ

-シューズ-

9月の発表時より楽しみにしていたシューズ。アディダスで発売されている8万円のレースシューズ『Evo1』の練習用というコンセプト。どんな性能であるのかレビュー。

アディゼロ EVO SL について

アディゼロ EVO SLは同社から発売されている8万円越えのスーパーシューズ『Evo1』の練習用というコンセプト。8万円を超えるシューズであるが、公式からは「フルマラソン1回分の耐久力」とアナウンスされており、価格だけでなく色々とぶっ飛んだシューズ。そんな気軽に履けないシューズをもっと身近にということで本商品『アディゼロ EVO SL』が発売された。ただ、身近さをアピールするためか日常使いにも主眼を置いている様子で『ランニング × 日常』というコンセプトも公式からプッシュされている。上記2方向からのコンセプトにマッチできているのか見ていく。

引用元:アディダス公式  日常使いにも使えるということを押しているプロモーション画像

シューズ外観

側面

カラーは『ブラック』基調を購入。市場としては『Evo1』と同配色である『ホワイト』が人気な様子。ミッドソールにまで張り出した3本ストライプが大胆でオシャレ。日常使いとしては、少し主張が強い気も…。

背面

反射材などの装飾がなくシンプルな仕上げ。日常使いも主眼を置いていることが伺える。

靴底

コンチネンタルラバーを贅沢に使用。
踏ん張ることのない、小指付近や中足部あたりは軽量化のために削られている。

重量

28cm/235g
SL(スーパーライト)という名に恥じない軽量性。レースシューズよりは重く、ジョグシューズよりは軽いポジション。

価格とサイズ感

定価:19,800円(税込)
いいお値段ですね。レースシューズとしては安く、ジョグシューズとしては高い、重量と同じポジショニング。コンセプト通り『ランニング×日常』の両側面で使用する方には1足で完結できる分お安いかもしれない。

引用元:アディダス公式


サイズ感:通常サイズからハーフサイズアップがオススメ
日常使いの歩くだけであれば通常サイズでも許容範囲。走る場合はハーフサイズ(0.5cm)アップがオススメ。
♦︎参考:他シューズサイズ
ゲルニンバス26→27.5cm
アディオスPro3→27.5cm
ズームフライ5&6→28cm
タクミセン10→28cm

ファーストインプレッション

あれ?LIGHTSTRIKE PROってこんなに硬かったっけ?プレート入っていないのにアディオスPro3より硬い。むしろタクミセン10に近くないか?というのが初感。
『Evo1』を履いたことないので、『Evo1』と比べられないのが弱いですが、プレートなしで安定感を出すためにミッドソールの密度を高め、硬くしてきたと感じる。ミッドソールが柔らかくないため、日常使いでは安定して歩くことが出来る反面、『Evo1』の練習用としてのコンセプトとしては特徴が尖っておらず弱いと感じた。

【徹底解剖】シューズの特徴

EVO SLの特徴は『ミッドソール』『ロッカー構造』『グリップ力』『フィット感』の4点。

ミッドソール

LIGHTSTRIKE PROをフルレングスで採用する贅沢設計。だが、密度が高く?硬さがある。良く言えば、日常からスピード練習にも対応できる1足。悪く言えば、LIGHTSTRIKE PROの柔らかさを体感したい方の期待を裏切ってしまう硬さ。またミッドソール内には『DOG BONE』と呼ばれるナイロンプレートが少し搭載されているが、足裏で感じることはなく縁の下の力持ちとして分厚いミッドソールの安定感を高める役割を果たしている。

引用元:アディダス公式

ロッカー構造

つま先と踵部のミッドソールを削ることで、揺籠ゆりかごのような形となりロッカー構造が生まれている。特にヒールフット(踵着地)のランナーには恩恵が大きい構造。ミッドフットやフォアフット着地のランナーでは感じ取ることは難しいが、足抜けの良さを体感することはできる

クリップ力

コンチネンタルラバーを贅沢に使用されているおかげで、滑ることなく安心して走りに集中することが出来る。個人的にもコンチネンタルラバーの安心感はデカく、雨上がりの路面でも安心して踏み込むことが出来る。プレート非搭載でグリップ力の高いアウトソール材を使用しているシューズは他社を見ても少ないため、優位性が高いと感じたポイント。

フィット感

SL(スーパーライト)というコンセプトではあるが、レースシューズとしての立ち位置で発売されていないため、軽量性よりも快適性を重視してくれている。踵部のクッション性やエンジニアードメッシュアッパーがフィット感を高めてくれている。

風通しが非常に良く 走り出す前は指先が寒いくらい
肉厚なクッションで踵をホールド

クッション性能について

MEDIUMレベル。地面を感じるほどの硬さはないが、柔らかいと感じるほどでもない中間レベル。
他シューズとの比較は↓を参考に。

気になる点

特になし。
強いて挙げると、やはりミッドソールの硬度が思っていた以上にしっかりしており、モチモチしたクッション&反発力を期待していただけに肩透かしを喰らった。

前足部:約28mm
踵部:約45mm

アディゼロ EVO SL がオススメな人

万人にオススメ出来るシューズ。とりあえず1足持っておいて損はないが、万能なだけに他シューズと使い勝手が被ることが多いと感じるポジション。特に1足で全てを完結させたい人にオススメ

適正ペース

4分30秒前後。これ以上速くなる場合はカーボンプレート入りのシューズで助力を得た方が楽である。
サブ3:ジョグ
サブ3.5:ジョグ&レース&スピード練習
サブ4:レース&スピード練習
という印象。さらに日常でも使えるルックスなので、かなり万能に使えるシューズ

まとめ

総括:『ランニング × 日常』というコンセプトを高次元で実現しているシューズ
今後このようなシューズが増えてくるのでは無いか?と感じた。現在は『On』というメーカーがこのようなポジションで市民権を得てきたが、そのポジションに大手シューズメーカーも参入してきたといった印象。現在ランニングシューズは細分化されすぎており、初心者が参入するには頭を悩ませる状況であるため、このような万能シューズで一度ラインナップ整理する時代が到来するのでは無いか?と感じられたシューズ。

購入先リンク

おまけ

40キロ走で使ってみた

初履きで早速40キロ走を実施してきた。5分目安での実施予定が、軽量性と反発力の助力により最初の5キロくらいは勝手に4分40秒ほどで走ってしまうくらいにポジティブスプリットに陥った。確かにミッドソールが硬いだけに、30キロ以降で足が垂れてきた時にブレが起きにくく走りやすいと感じた。だが、個人的にアシックスの『S4』と非常に似ていると感じており、さらに『S4』はカーボンプレート内蔵で推進力が増すため、近い金額帯を払うのであれば、このシューズでなくても良いのでは…。と正直思ってしまった。とはいえ『S4』は日常使いではランニングシューズ感増し増しなので、日常使いにも主眼を置く方には『EVO SL』の方がマッチしていると言える。

ペガサスプラス VS EVO SL

ナイキとアディダスがそれぞれ最上位ミッドソールのプレートなし版。という立ち位置で同じになるシューズ。
クッション性はペガサスプラスの方が柔らかいが、グリップ力はEVO SLが優勢。選び方はルックスなどの好みで良い気もするが、ペースで決める場合は、5分以上で走ることが多い方はペガサスプラスを。5分以内で走ることが多い方はEVO SLを選ぶと失敗しないと思われる。EVO SLのミッドソールの硬度はスピード練習や30キロ以降の足が垂れた際にブレが発生しにくい点に魅力が詰まっていると感じる。

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